寝違えを治すストレッチはある?原因を知って正しく対処しよう!

寝違えを起こすと顔を動かすたびに痛いので「ストレッチなんてとんでもない!」と思っていませんか?

実は、寝違えの原因は首だけではなく脇の下の神経にもあることが分かってきており、適切なストレッチによりつらい症状を緩和できる可能性があります。

ただし、自己判断でストレッチをするとかえって症状が悪化する可能性もあるため注意が必要です。

こちらの記事では寝違えの原因や対処法、治すためにおすすめのストレッチなどを紹介しておりますので、寝違えのつらい症状にお悩みの方は参考にしてください!

寝違えの原因とは?

寝違えた女性

寝違えは医学的に「急性疼痛性頚部拘縮」と呼ばれており、ある日突然のように首や肩まわりに痛みが出て、顔を動かすことが困難となる点が特徴です。

寝違えの原因としては主に以下のような例があげられます。

  • 睡眠中の姿勢
  • 過度の飲酒
  • 筋疲労の蓄積
  • 不良姿勢
  • 腋窩神経の圧迫

寝違えの主な原因について詳しく見ていきましょう。

寝違えの原因①睡眠中の姿勢

寝違えは病名ではなく、寝て起きたときに首まわりの痛みや動作時痛が見られることから、その名が付けられています。

寝違えを引き起こす原因の1つが睡眠中の姿勢です。

テレビを見ながらソファで寝てしまったり、不自然な体勢で寝たりすると、寝違えの発症リスクが高くなります。

寝違えの原因②過度の飲酒

お酒を好んで飲まれる方の中には、朝起きたときに寝違えてしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

適度な飲酒であれば問題は少ないのですが、過度の飲酒による酩酊状態で布団に入ると、不自然な姿勢で朝まで寝てしまうことがあります。

お酒が入った状態で不自然な姿勢で寝ると、寝返りを打つことが難しいため首への負担が増し、寝違えの発症リスクが高くなります。

寝違えの原因③筋疲労の蓄積

筋肉は筋線維の束が集まってできていますが、負荷が加わって筋線維が切れると、炎症にともなう痛みを引き起こしやすくなります。

疲労状態が継続すると足がつりやすくなるのも、古くなったゴムのように少しの衝撃で筋線維が切れやすくなるためです。

寝ている間に首へ持続的な負荷が加わると、筋線維の断裂により寝違えの発症リスクが高くなります。

寝違えの原因④不良姿勢

寝違えを引き起こす原因の1つとして、普段の不良姿勢もあげられます。

例えば猫背の姿勢で長時間に渡ってデスクワークをしていると、頭の位置が前にスライドするため、首の筋肉(筋線維)が硬くなります

硬くなった筋線維が切れやすくなるのは前述の通りです。

寝違えの原因⑤腋窩神経の圧迫

近年の研究によって、腋窩神経が圧迫されると、寝違えを引き起こしやすいことが分かってきました。

不自然な姿勢で寝るなどして脇の下にある腋窩神経が圧迫されると、血液の流れや神経伝達が阻害され、寝違えを引き起こしやすくなります。

寝ているときや明け方に手がしびれる方は、寝ているときに腋窩神経が圧迫されている可能性があります。

寝違えの痛みが強い場合の対処法

肩と腰が痛い女性

一口に寝違えといっても、症状が出る場所や程度は個人によりさまざまです。

もし寝違えの痛みが強い場合には、以下のように対処することがおすすめです。

  • アイシングや痛み止め
  • 無理な動作を避ける
  • 医療機関を受診する

寝違えの痛みが強い場合の対処法について解説します。

寝違えの対処法①アイシングや痛み止め

寝違えにともなう痛みの程度は個人によりさまざまですが、ズキズキと拍動するように痛む場合はアイシングを行いましょう。

アイスパックなどを1時間につき10分ほど患部に当てると、拍動するような痛みを治すことが期待できます。

痛みのあまり日常の動作にも支障を来すようであれば、痛み止めを服用するとよいでしょう。

寝違えの対処法②無理な動作を避ける

寝違えにともなう痛みが強い間は、無理な動作を避けましょう。

痛みがあるとついつい痛みを引き起こす動作を確認しがちですが、かえって治すことを妨げてしまうため注意が必要です。

寝違えにともなう炎症はおよそ48時間続くため、その間は無理な動作を避け、痛みが出ない姿勢を見つけることが重要です。

寝違えの対処法③医療機関を受診する

寝違えにともなう痛みがあまりにも強い場合、何らかの疾患を発症している可能性もあります。

そのため、自己判断で放置するのではなく、医療機関で診察・検査を受けることが欠かせません。

寝違えを発症した場合には整形外科を受診することが一般的ですが、吐き気や発熱などその他の症状をともなう場合は内科で見てもらいましょう。

寝違えを治すのに効果的なストレッチ3選!

ストレッチしている女性

寝違えの痛みがひどい場合には医療機関を受診することが大切ですが、症状の程度によってはストレッチで治すことが期待できます。

特に以下の3ケ所のストレッチを行うと、首にかかる負担を軽減する効果が期待できます。

  • 胸の前のストレッチ
  • 脇の下のストレッチ
  • お尻のストレッチ

寝違えを治すのに効果的な3つのストレッチをご紹介します。

寝違えを治すストレッチ①胸の前のストレッチ

胸の前には小円筋(しょうえんきん)と呼ばれる、身体で唯一肩甲骨とつながっている筋肉があります。

小円筋が硬くなると肩甲骨の動きが悪くなるため、寝違えを治すためには小円筋のストレッチがおすすめです。

小円筋のストレッチの手順は以下の通りです。

① 右手の甲を腰のベルトラインに当てる
② 左手で右の肘をつかみ前に引っ張る
③ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)

②のときに胸の前が伸びていることを確認しましょう。

寝違えを治すストレッチ②脇の下のストレッチ

近年の研究により腋窩神経が寝違えのリスクを高めることが分かってきており、寝違えを治すためには脇の下のストレッチも効果的とされます。

脇の下のストレッチは、慢性的な肩こりや四十肩・五十肩を治すのにもおすすめです。

脇の下のストレッチの手順は以下の通りです。

① 右手をまっすぐ前に出し指先を下に向ける
② 左手で右手の人差し指から小指をつかみ、手首を曲げるようにこちら側に引っ張る
③ 手首を引っ張ったまま右手の指先を左方向に回す
④ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)

③のときに脇の下に違和感が生じたら、上手にストレッチできている証拠です。

寝違えを治すストレッチ③お尻のストレッチ

寝違えを治すためには、首にかかる負担を軽減することが欠かせません。

首にかかる負担を軽減するためには姿勢を治す必要がありますが、そのために効果的なのがお尻のストレッチです。

特にデスクワークで猫背気味の方は、お尻のストレッチで姿勢を治すようにしましょう。

お尻のストレッチの手順は以下の通りです。

① 布団やベッドにあおむけで寝る
② 右ひざを曲げて両手で抱え、胸の方へと引き寄せる
③ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)

膝を引き寄せる際に、反対側の肩に向かって少しひねるとさらに効果的です。

寝違えを予防するのに効果的な4つの方法

お風呂に入っている女性

いったん寝違えを発症すると、治すのに時間とコストが必要となるため、普段から予防に取り組むことが重要です。

寝違えを予防するのに効果的な方法は以下の4つです。

  • お風呂で身体を温める
  • 質のよい睡眠をとる
  • 普段から適度に身体を動かす
  • 仕事中や寝るときの姿勢を見直す

寝違えを予防する4つの方法について解説します。

寝違えの予防法①お風呂で身体を温める

寝違えに限らず、何らかの症状があらわれている場所には必ずと言ってよいほど血行不良が見られます。

そのため、普段から身体を温めて、血行を促進することがおすすめです。

身体を温めて血行を促進する簡単な方法の1つが、お風呂に浸かってリラックスすることです。

冷え症やむくみを治すのにも、お風呂に浸かって血行を促進するとよいでしょう。

寝違えの予防法②質のよい睡眠をとる

睡眠中には成長ホルモンが分泌されて細胞分裂が活発化し、損傷部位の修復や疲労の回復が行われます。

睡眠不足に陥ると成長ホルモンの分泌が不活発となり、身体の回復力が低下するため寝違えを引き起こすリスクも高くなるため注意が必要です。

質のよい睡眠をとるためにはお風呂で身体を温めるほか、早寝早起きを心がけ、朝日を浴びることがおすすめです。

寝違えの予防法③普段から適度に身体を動かす

学生のときには体育の授業や部活などで身体を動かす機会も多いのですが、社会人になると運動不足に陥る方も少なくありません。

運動不足が続くと筋力の低下にともない体幹を支える力が弱くなり、結果として寝違えの発症リスクが高くなります。

普段から適度に身体を動かすと、筋力の低下を予防できるだけでなく、全身の血液循環を促進する結果にもつながります。

自分で治す身体を手に入れるためにも、風段から適度に身体を動かすことがおすすめです。

寝違えの予防法④仕事中や寝るときの姿勢を見直す

寝違えはある日突然起こりますが、日常的な首への負担の積み重ねと、睡眠習慣などが絡み合って発症することが一般的です。

首へかかる負担を軽減するためには、仕事中や寝るときの姿勢を見直すことが欠かせません。

仕事中はなるべく上半身をまっすぐに伸ばし、首にかかる負担を軽減するよう心がけましょう。

寝ているときの姿勢を改善するためには、自由に寝返りが打てる自分に合った寝具にすることがおすすめです。

寝違えを治すのに効果的な3つのストレッチ|まとめ

寝違えは急性症状のため、発症初期に無理をすることは禁物です。

しかし、過度の安静はかえって症状の回復を遅らせる可能性もあるため、急性期を過ぎたら少しずつ身体を動かすようにしましょう。

また、いったん寝違えを発症すると治すまでに時間とコストが必要なため、普段から予防に取り組むことも大切です。

今回ご紹介したストレッチなどを参考に、寝違えを改善・予防してくださいね!