腕が上がらないときにおすすめのストレッチ4選!四十肩・五十肩?

「朝起きたら腕が上がらない!」という症状は四十肩・五十肩が原因かもしれません。

四十肩・五十肩は正しい対処をしなければ症状を長引かせるだけでなく、後遺症を残す可能性もあります。

さらにストレッチの開始時期を誤ると、かえって症状が悪化する可能性もあるため注意が必要です。

こちらの記事では四十肩・五十肩で腕が上がらないときの対処法・症状の改善におすすめのストレッチを紹介しています。

四十肩・五十肩を早く改善するためにも、ぜひ最後までご覧くださいね!

腕が上がらないのは四十肩?五十肩?

痛い肩を回している女性

ある日、突然のように腕が上がらなくなった場合、四十肩・五十肩の発症が疑われます。

四十肩・五十肩は医学的に肩関周囲炎と呼ばれており、何らかの疾患にともなって症状が出ることもあれば、原因不明のケースもあります。

代表的な症状は腕や肩を動かす際の痛みで、発症初期には寝られないほど痛むことも少なくありません。

しかし、痛いからと言っていつまでも動かさずにいると、かえって症状の回復を遅らせる可能性があるため注意が必要です。

四十肩・五十肩で腕が上がらない原因

肩が痛いイメージ

四十肩・五十肩は一般的に「急性期」「慢性期」「回復期」の3期に分けられ、症状が次第に変化していく点が特徴です。

腕が上がらない原因も時期ごとに異なるため、原因を理解して適切に対処しましょう。

腕が上がらない原因①急性期の炎症

四十肩・五十肩を発症してからおよそ2週間ほど、症状がもっとも強く表れる急性期が続きます。

急性期の主な症状は安静時痛および夜間痛で、何もしていなくても肩まわりがズキズキと激しく痛み、寝られないことも少なくありません。

急性期には肩関節のまわりに強い炎症が起こるため、腕を少し動かそうとしただけで激しい痛みが起こります。

腕が上がらない原因②慢性期の拘縮

四十肩・五十肩を発症してからおよそ2週間が経過すると、安静時痛が治まる慢性期へと移行します。

慢性期は拘縮期とも呼ばれており、腕や肩が動かしづらくなったり、無理に動かそうとすると痛みが出たりする点が特徴です。

慢性期(拘縮期)に腕が上がらない原因の1つが、肩まわりの筋肉や筋膜など軟部組織の緊張が起こるためです。

腕が上がらない原因③回復期の運動不足

四十肩・五十肩を発症してからおよそ半年が経過すると回復期へと移行します。

回復期に入ると肩関節の痛みは落ち着きますが、人によっては腕が上がらない状態が続きます。

回復期に腕が上がらない原因の1つが、日常的な運動不足による関節拘縮です。

四十肩・五十肩を発症した場合、7年後にもおよそ3割〜5割の方に肩の痛みや腕の動かしづらさなど、何らかの後遺症が残るため注意が必要です。

四十肩・五十肩で腕が上がらないときの対処法

肩が痛い女性

四十肩・五十肩の症状は時期ごとに変化するため、以下のように適切な対処を行うことが重要です。

  • 急性期は無理をしない
  • 慢性期に入ったら動かし始める
  • 回復期には積極的に動かす

適切な対処を怠ると、いったん症状が治ったように思っても、後遺症に悩まされることがあるため注意が必要です。

四十肩・五十肩で腕が上がらないときの対処法について詳しく解説していきます。

腕が上がらないときの対処法①急性期は無理をしない

四十肩・五十肩の急性期には安静時痛や夜間痛が出やすいので、少し腕を動かそうとしただけで激しい痛みに襲われます

そのため、急性期には無理をして動かさないことが基本です。

痛みがあまりにも強い場合にはシップやアイシングで患部の炎症を鎮め、痛み止めを服用することがおすすめです。

腕が上がらないときの対処法②慢性期に入ったら動かし始める

四十肩・五十肩の慢性期には肩関節の拘縮が見られるため、腕が上がらない症状に悩まされがちです。

しかし、痛いからと言って安静にしすぎると拘縮状態が悪化し、凍結肩(フローズンショルダー)へと移行する恐れがあります。

四十肩・五十肩が凍結肩に至った場合、7年後にも半数の方に痛みや可動制限が残るとされているので、慢性期に入ったら少しずつ肩関節や肩甲骨を動かし始めることが重要です。

腕が上がらないときの対処法③回復期には積極的に動かす

四十肩・五十肩の症状が回復期に入ると、何もしなければ肩の痛みが気にならなくなります。

しかし、慢性期と同様、回復期にしっかりと肩関節を動かしておかないと、腕が上がらないなどの後遺症が残りやすくなります。

回復期に入ったらより積極的に肩まわりを動かすことで、後遺症のリスクを下げることが期待できます。

腕が上がらないときにおすすめのストレッチ4選

肩を動かす女性

肩関節は股関節と並び身体の中でもっとも可動域が広い関節のため、さまざまな筋肉が付着しています。

四十肩・五十肩で腕が上がらない場合、筋緊張によって可動が制限されている可能性もあるため、以下のストレッチで改善を図りましょう。

  • 肩甲下筋のストレッチ
  • 大胸筋のストレッチ
  • 棘上筋のストレッチ
  • 振り子運動

四十肩・五十肩で腕が上がらないときにどの筋肉が緊張しているのか、ストレッチ法と合わせて解説していきます。

腕が上がらないときのストレッチ①肩甲下筋のストレッチ

肩甲下筋は名前の通り肩甲骨の下(裏側)にある筋肉で、肩関節を内旋させる(腕を内側にひねる)働きがあり、腕が上がらない場合は肩甲下筋に緊張が出ているケースも多く見られます。

肩甲下筋のストレッチは以下の手順で行います。

① ソファやベッドの横に正座する
② ソファのひじ掛けやベッドに腕を乗せる
③ お辞儀をするように上半身を前に倒す
④ 30秒×3セット行う

③のときに脇の下が伸びている感じがすれば、上手にストレッチできている証拠です。

腕が上がらないときのストレッチ②大胸筋のストレッチ

大胸筋は胸にある大きな筋肉で、腕を上や斜め上にあげるときに働きます。

腕が上がらない時には大胸筋も硬くなっている傾向があり、バンザイのような動作がしづらくなります。

大胸筋のストレッチは以下の手順で行います。

① ヨガマットや布団にあおむけで寝る
② 右ひざを立てて下半身を左側にひねる
③ 右腕をまっすぐ上にあげて真横に倒す
④ 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)

肩関節の痛みが強いときには、あおむけで寝て腕を横に伸ばすだけでもOKです。

腕が上がらないときのストレッチ③棘上筋のストレッチ

棘上筋(きょくじょうきん)は肩甲骨の上の方にある筋肉で、肩関節を外転させる(腕を真横にあげる)働きがあります。

横に腕が上がらない場合、棘上筋の緊張が多く見られます。

棘上筋のストレッチは以下の手順で行います。

① ヨガマットや布団の上に正座して両手を後ろ側に回す
② 右肩の四十肩・五十肩であれば、右手の先で左の肩甲骨を触るように動かす
③ 痛みが強い場合は可能な範囲で行う

手の先で肩甲骨を触る際に、上半身がお辞儀しないよう真っすぐに保ちましょう。

腕が上がらないときのストレッチ④振り子運動

腕が上がらない際におすすめのストレッチが振り子運動です。

上記3つのストレッチが困難な場合、振り子運動をすることで症状の回復を早めたり、後遺症のリスクを低下したりするメリットが得られます。

振り子運動は以下の手順で行います。

① 椅子やベッドの上に右手と右ひざを乗せる
② 上半身を椅子やベッドと平行に倒す
③ 左手を前後・左右にぶらぶらと動かす

余裕がある場合は1㎏のダンベルや、水を入れたペットボトルを手に持って行うとさらに効率的です。

腕が上がらないときにおすすめのストレッチや運動|まとめ

「朝起きたら腕が上がらない!」という場合、四十肩・五十肩を発症している可能性が疑われます。

四十肩・五十肩の初期には激しい痛みが見られますが、安静時痛や夜間痛が治まったら、ストレッチに取り組むことで症状の改善を促し、後遺症のリスクを下げることが期待できます。

今回ご紹介したストレッチはどれも簡単に取り組めるものばかりなので、積極的に取り組んで四十肩・五十肩を早めに改善しましょう!